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預かり所属はしんどい

声優事務所に所属する前には、一時的に預かり所属という形で在籍することがあります。この形は正式な所属ではなく、いわゆる準所属に相当する状態です。

正式所属ではないことからあまり前面に出て仕事をする機会は少なく、また報酬面でも制限が掛かります。いわゆる試用期間みたいなものなので、その間の生活はアルバイトなどで収入を稼ぐ必要があります。

夢は大きければ大きいほど頑張れますが、結果が出なければ結構しんどくて辛くなります。預かり所属は本当に声優としてやっていけるかどうか、それを見極める為に設けられた一種の試練です。

声優事務所にとってみれば、本人のやる気や向上心を計る機会でもありますから、預かりといっても気が抜けない状況です。

報酬面では正式に所属する声優のマージンが7割だとすれば、預かり所属は6割といった具合に少ないのが普通です。 これは声優事務所の方針によって異なりますが、一般的に正式な所属が認められるまでは下がると考える方が無難でしょう。 一方ではマネージメントにも差があって、具体的な違いはビジネス面や声優の実力を考慮すれば分かります。

例えば声優を商品として扱う事務所側には、なるべく良質な商品の提供を行い、実績や信用を高めて利益を得ようとするインセンティブが働きます。 これを人に言い換えると、実力があって期待に応えられる経験豊富な中堅以上、そんな安心して提供できる人材を提供しようとするものです。

逆に新人は実力や可能性が未知数で、実績においても説得力の弱さがありますから、それほど大々的には売り出したり宣伝してもらえないのが実情です。 短期間で業界関係者に注目されるほどの実力派なら例外ですが、通常は下積みをしている名が知られていない新人、そういう認識でマネージメントが行われます。 仕事の話やオーディションのチャンスは、やはりある程度実績のある、声優事務所正所属の経験者に多く回る傾向です。

クライアント側に新人が要求されれば別ですが、そのようなチャンスは少なく、実力を披露する機会も限られるのが現実です。 全く仕事の話が回ってこない期間が長引き、先が見えずに事務所を辞めることさえ頭をよぎる、このような状態は預かり所属であれば決して珍しくありません。

実に忍耐力が問われますから、次のチャンスが見えない状況であっても、諦めずに自身の技術を磨けるか否かがポイントとなります。 預かり所属でも前向きに捉えられることがあるとしたら、それは声優事務所のプロフィール欄に載せてもらえることです。 正所属の一覧からは流石に外れますが、プロフィール欄の隅っこの方に名前と顔写真が載ります。 事務所によってはサンプルボイスも掲載してくれるので、預かり所属だとしても少なからずチャンスはあります。

正所属声優のサンプルボイスをチェックしたクライアントが、ついでに新人の声も確認して興味を持つ、そういったことが万に一つもなくはありません。 積極的な売出しがなくマネージメント面も弱い、これでは折角声優事務所に在籍することができても、仕事が増えないモヤモヤとした時間が続きます。 収入だけでなく精神的にもジワジワとしんどくなるので、どう上手く乗り越えて正所属になるかが問われます。

当面は声の仕事はないものと考え、アルバイトで収入を確保しつつ技術の研鑽を積む機会と捉えることが大切です。 ここで腐ってしまえば、思い掛けずに仕事のチャンスが舞い込んでも、結局のところ実力を発揮できず後に続かなくなります。 安定的に仕事はなくても、何時仕事が舞い込んでも期待に応えられるように、常日頃から備えてしんどい日々を乗り越える忍耐力が必要です。 フリーランスという選択肢もありますが、事務所の後押しがない無所属は更に実力が求められますから、しんどくてもまずは正所属を目指すのが現実的です。

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